琉球ガラスに続いては、
やちむんである。

やちむんとは、沖縄でのやきもの(陶器)の言いかた。


古来、中国との交易地であった沖縄では、
アジア文化を広く取り込み、独特のやきもの文化を形作った。

今でも那覇市の壺屋地区や読谷村を中心に、
数多くの窯元で焼かれ続ける日常の器である。

うかがったのは、
これまた当店スタッフ垂涎の逸品を製作している、
伝統工芸士が営む小さな窯元(健陶藝)。


大胆な魚紋に、
赤の色づけと白化粧に特にこだわり、
ご夫婦でひとつひとつ丁寧に手作りされている。


マカイ(椀)、皿、鉢、湯呑、マグカップ、酒器…。


魚紋はすべてご主人が手彫り。
大胆にそして繊細に、あっという間に迷いなく彫り上げる。

魚紋のやちむんは数あるが、
これほどくっきりと愛らしく、
そしてけれんみなく描かれるものは本当に少ない。


色付けも丁寧に丁寧に、
特に赤は刷毛目を出さないよう慎重に色付けし、
じっくり焼き上げる。


窯入れは伝統工芸士といえども、最後は神頼みの領域。
酒、米、果物、菓子を窯前に供え、時を待つ。


こちらの工房、
生産量が希少であるが、
当店の熱意を汲んでいただき取り扱いの許可をいただくことができました。

お届けをぜひお楽しみに。

沖縄に行ったことがある方なら、
屋根や門、建物の入り口等に置かれる「シーサー」はご存じだろう。


シーサーもまた、やちむんであり、
専門の工房があるほどである。

壺屋、読谷と数々の工房を巡りつつ、
やちむんの奥深さに触れ、
ニッポンのホンモノにはまだまだいいモノがあるなあと感じつつ、
持ちきれないほどのサンプルを仕入れて帰京の途についた。