栃木県益子町&茨城県笠間市。

直線距離で10kmほどの距離にある両者は、
関東のやきもの屈指の産地。

近頃は「かさましこ」とひとまとめの呼び方もあるとか。


春の大型連休時期には
この両者それぞれで一大やきものイベントが開催され、
これでもかと人が集まる…。

皆さん、陶器お好きなんですね~。

まずは「春の益子陶器市」。


11日間の長期に渡り、
益子の町はやきもの好きであふれかえる。

通りという通り、
スペースというスペースはすべて展示即売会場となり、
売る方も買う方も、老若男女、地方/国籍問わず、である。


一軒の老舗窯元へうかがう。


当店スタッフが実際にこの窯の器を使い、
惚れ込んだ窯である。

こちらでは、すべての器が益子最大の登り窯で焼かれる。


登り窯の中のどこに置かれたか、
火の加減や当たる向き、灰のかかり方などの諸条件は器ごとにすべて異なり、
出来上がりの器は色・貫入などひとつひとつが異なった仕上がり(個性)になる。


これが堪らなくいい…。

窯出しされたばかりの器が展示即売される屋外スペースにはジャズが流れる。


益子伝統の柿釉の器とジャズのトランペットが不思議に溶けあう雰囲気。
ソフトな語り口の若きご当主ならではの絶妙なマッチング感覚に陶酔する…。

陶器市の人出はどんどん増し、どの店も活況を呈している。
そんな中、先ほどのご当主に紹介いただいた窯元のブースへうかがう。

沖縄の有名窯元で修業され、
今は北海道函館で独立して窯を営んでいらっしゃるとのこと。

陶器の基本を踏まえつつ、現代のテイストを盛り込んだ独特の風合いに確かなホンモノを感じる。


今日の宿は真岡。
地元食堂の想像を超えるグルメの数々に再訪を誓う。


翌日。

5月になったばかりだが、25℃を超える夏日。
屋外イベント日和とはまさにこのこと。

今日は朝から、笠間の「陶炎祭(ひまつり)」へ。


開場2時間前だが、会場近くの駐車場は早くも満車…。
広大な臨時駐車場から専用バスで会場へ。


・・・たいへんな規模である…。

昨日の益子陶器市は町そのものが会場となっていたが、
陶炎祭(ひまつり)は広大な公園におびただしい数の窯元や店舗が
ずらりと軒を並べたバザール形式。

圧巻である…。

きちんと区画分けされ、
道にはパレットが敷かれて快適にやきものを見て回れる。


33回目を数える老舗やきものイベントの知恵と工夫に敬服する。

大手窯元、伝統工芸士、個人作家、販社などが一堂に会し、
来場客は一家総出で敷物・テント持参で基地を作って楽しみ、
会場全体がとてつもなく活気づく。


もはややきものテーマパークの様相。


客は当然目の肥えた方々ばかり。

レベルの高い陶器の数々に、当店スタッフも雰囲気にあてられ、
気に入った器を次々に求め、
あっという間に時間が過ぎる…。


これは次回が楽しみと、早くも再訪に心は決まる。

締めくくりは、
地元特産食材にこだわった食堂で舌鼓。
味にも量にも感動。


大満足の“かさましこ”の旅となった。