早朝に発つ。
駒ケ岳の牛乳とヨーグルトで栄養補給し、美濃へ入る。
のどかに流れる清流 板取川沿いに車を走らせる。
日本の原風景、あー、いいところだな~。
一軒の手漉き和紙工房に着く。
女性職人二人だけで、先代からの小さな工房を守る。
漉いているのは、当店でも取り扱っている、
美濃和紙のウインドウデコレーション「SNOWFLAKE」。
できたてのSNOWFLAKEはその名の通り、漉き枠にたくさんの真っ白な雪の結晶が並ぶ。
普通の紙を漉くのとは明らかに違う技法。
膨大な試行錯誤を経て得られた技法は、ほかではまず真似ができない。
ひとつひとつ、誠実に手間を惜しまず漉きあげられる。
雪の結晶は、愛着と愛情の結晶でもある。
雪の結晶は、天日で干して出来上がる(笑)
和紙の原料ひとつ、楮(こうぞ)という木の皮。
自然のものゆえ「塵(ちり)」と呼ばれる細かい黒ずみがどうしても混ざり、
これを綺麗に取り除かないと白い和紙にならない。
この「塵取り」の作業を体験させていただく。
井戸水の流水の中で、小さな小さな黒ずみを見つけて取り除く作業を繰り返す。
当然すべて手作業。
冷たい水に手はふやけ、目がしょぼしょぼになる。
長時間の屈み仕事に腰も悲鳴を上げる…。
職人さんも「この作業が一番厄介だね~」とほほ笑む。
楮を清冽な井戸水に晒している。
ユネスコ世界無形文化遺産に認定された本美濃紙を漉く準備だ。
楮だけを用い、手作業で伝統的な道具だけを用いて漉かれ、
板張りで天日干しして作られる極上の和紙。
色あい・光沢や地合(繊維の目の詰まり方)も厳しい定めがあり、
漉ける職人はごくわずか。
ご自身で漉いた本美濃紙を見つめながらの言葉に、誇りと責任を感じた。
すっかりお腹もすき、道の駅 美濃にわか茶屋へ。
普通のカレーライスが、
充実の美濃和紙の展示と美濃焼のお皿で、一段上の味わいに(笑)
和紙を張って天日干しするこの板、一枚27万円なり…。