一軒の漆器工房に向かう。
外観からすでにセンスの良さを感じさせる、
昔屋を改装したさっぱりとして温かみのあるアトリエだ。
ここで生み出されるのは北欧風に絵付けされた漆器の数々。
四季の草花を主なモチーフに、猫や鳥なども抜群のセンスで
繊細に描きこまれる独特のワールドが展開される。
こ、これは思っていたよりもはるかにかわいいぞ、、、
スタッフに動揺が広がる…。
会津ならでは、赤べこに起き上がりこぼし。思わず笑顔になる。
車を走らせてふと見ると、
レトロ感あふれるレンガ造りの建物が目に入る。
ただものではない雰囲気に思わず引き込まれ、入ってみる。
昭和にタイムスリップしたような内観の店内でいただくのは、
名物 カツカレーチャーハン+目玉焼きにソースカツ丼。
独特な味付けに舌鼓をうつ。
後から後から入店客が後を絶たない。出前の電話もひっきりなしにかかってくる。
地元に愛される人気店のようだ。
腹ごしらえも万全に、会津木綿の工場へ。
歴史を感じさせる門構え。敷地には木造の建物が並ぶ。
中庭に何本も立っている鉄の柱は、晴れた日に染めた糸を乾かす干場なのだそうだ。
会津木綿は、文字通り会津に伝わる伝統的な木綿平織りの丈夫な織物。
素朴ながらも美しい縞柄が特徴で、
古くは野良着など日常の衣類として使われ、
いまでは衣類はもちろん、バッグや小物類などにも加工されて人気を集めている。
木造の工場内、100年前の織機がずらりと並ぶ空間は圧倒的な迫力。
1台ごとに高い天井から下がる革ベルトが織機の動力。
その昔の動力源は水車で、
いまでは電気モーターに代わったものの、構造はそのまま受け継がれている。
もちろん全台現役バリバリで、毎日会津木綿を織っている。
昔からの木綿づくりが21世紀に文字通り連綿と受け継がれ、
時代に合った製品を生み出し、いまや海外からも注目されるほどに成長している。
一時の流行に左右されない、地に足をつけた地場産業の底力を感じる思いがした。
濃密な時間を過ごした後は、お楽しみのおやつの時間。
山塩という、温泉水を薪窯でじっくり煮詰めて作られる
貴重な塩を使って作られるラーメンは独特の風味。
この透き通ったスープはやみつきになるなあ…。
会津でここに寄らないわけにはいかない。
雨に濡れる鶴ヶ城(若松城)。
赤べことお城の2ショットも乙なもの。
3日間の滞在が一瞬に思える今回の会津旅、「極上の出会い」の思い出がよみがえる。
会津には極上のスピリットを持つ人たちと、彼らが生み出す極上の逸品がある。
来てよかった…。
温かい気持ちで当店での展開案を考えながら、
帰京は高速バスでのんびりと。
おわり