翌朝、青空のもと向かった先は八女(やめ)。

「八女茶」やいちごの「博多あまおう」で有名な農産地だが、
二百年以上にわたって続く綿織物「久留米絣(くるめかすり)」産地でもある。

1898年創業、明治時代から続く老舗織元へ。


色とりどり、柄とりどり。
展示場には”バームクーヘン”みたいに美味しそうなロール生地が所狭しと置いてある。


半分はオーダー品とはいえ、
なんと毎年50~70の新柄が誕生しているそう。
糸の染色から自社で行い、お客様の要望へひとつひとつ柔軟に対応してきた結果がここにある。

こちらの織元は「博多祇園山笠」で使われる長法被(ながはっぴ)も制作している。


激しい祭りで使われる生地、丈夫なはずだ。

天日干しされている生地は、
ひらりひらりと風に揺れてとっても気持ちよさそう。


のこぎり屋根の工場を見せていただく。


久留米絣を織り上げるには、染めから織りまで30にも及ぶ工程が必要とされ、
一反(37~38cm×12m)の生地を作るのに2ヵ月ほど掛かる。

100年前から使われている豊田製の自動織機。


4台に1人の職人がつきっきりで調整をしながら機械を動かす。
手仕事が不要な工程はひとつとしてない。


長い間、仕事着や日常着として親しまれてきた「久留米絣」。

“夏は涼しく、冬は暖かい”ところや、
さらっとした着心地の良さ、機能性の高さが評価され、
もんぺ(パンツ)やワンピース、ストールなどにカタチを変えて、
今にしっかりと生きている。



古民家を改装した地元料理屋でランチ。


前菜に本場明太子。期待が膨らむ^^
いただきまーす!!




腹ごしらえの後は運動。
八女の市街地・福島地区をぶらぶらぶら。

街のあちらこちらに白壁の商家や蔵が建ち並ぶ。


かつて城下町だった頃の面影が残る町並みは、
古にタイムスリップしたような感覚になる。


ひと際歴史を感じる茶舗を発見!


暖簾をくぐると、独特の香ばしい香りが広がる。


話を聞いてみると、なんとこちらは九州最古の茶商とのこと!!

香りの正体は、焙炉(ほいろ)という江戸時代から伝わる
焙煎方法で仕上げられたお茶にあるそうだ。

以前使っていた焙煎台を見せていただく。


地元・八女産の炭火を焚き、丈夫な八女和紙の上で丹念に焙煎される。

端から端まで「メイドイン八女」のお茶。
手間暇を惜しまない茶作りで、八女は「日本一の玉露」産地と呼ばれている。


八女の市街地からほど近く、一軒の漆工房にお邪魔する。


漆工房なのに、お椀もお重もない?
あるのは…


きらびやかな、仏壇。

八女は仏壇の産地でもあるのだ。
ここ八女で作られる「八女福島仏壇」は、
重厚な漆塗り、華麗な金箔や蒔絵、精巧な彫刻など豪華絢爛な装飾が特徴。
国の伝統的工芸品にも指定されている。

個人宅や寺社仏閣の仏具・家具などの製造や修理も行っているとのことで、
ちょうど修理が完成した箪笥を見せていただく。


美しい仕上がり。
加飾まで見事に再現されている。

こちらの工房では、漆塗りのアクセサリーも製作している。


ご当主が水道の蛇口を漆器で作ってみたところ、
奥様がこれアクセサリーになるんじゃない?と思いつき、
実際に作ってみたことがキッカケになったそうだ。

大きなものから小さなものまで、ご夫婦でどこまでも職人なのだ。


福岡には「よかもん」がたくさんある。
当店で紹介したいものがまだまだたくさんある。
あらためて、そう確信することができた2日間となった。

旅の〆は博多ラーメン。


ばりうまかー^^
モヒカンブルーの機体で、いざ羽田へ。