沖縄では陶器のことを「やちむん」と言います。
その歴史は古く14世紀に遡り、海上交易によってもたらされる大陸や南蛮の陶磁器の影響を受け、独特の風合いが今に伝わります。代表産地である那覇市壺屋地区や読谷村で作られる「やちむん」は壺屋焼と呼ばれています。
高さのある割り高台と深い色合い、やちむんならではの絵付けが特徴的な片口と、同色のぐい呑み2客のセットです。
片口は1合が入るお手頃サイズ。
ころんと丸く愛らしい形に、高台と縁にしっかり指がかかって、持ちやすく注ぎやすい自信作です。昨今は日本酒ブームの影響からか片口も人気ですが、本来の注ぎやすさという点での使い勝手は抜群です。
深いブラウンの色合いに白で描かれている絵柄は沖縄独特の唐草文。「イッチン」という技法で描かれています。
焼きあがった器に白土を溶かした白化粧土を筆ではなくスポイトで加飾する技法のため絵柄が盛り上がり、見た目も触感も面白い仕上がりです。
片口と同じ色合いのぐい呑みを2客セットしました。
使いやすいシンプルな筒型のぐい呑みで、手作りの陶器ならではの素朴さとぬくもりが感じられる絶妙な手触りと口当たりです。
もちろん片口もぐい呑みもひとつひとつが職人手作り。
裏側(高台)の中心部が少しだけ凸と盛り上がっていますが、これは「ろくろ」を使って作り出した証拠。釉かけも絵付けもすべて手仕事で、手で作られるものだからこそ伝わるぬくもりや柔らかさは格別の感覚です。
一日の終わりをいい酒器で締め括るのは贅沢なひとときです。
逸品の陶器でお気に入りのお酒の味も一段上がるかも。
※ひとつひとつ手作りで仕上げておりますので、大きさ・形・色・模様に多少の違いがあります。
※食器洗浄機、電子レンジ、オーブン、直火のご使用はお避けください。
壺屋焼窯元 陶眞窯
沖縄県読谷村
窯主は、壺屋焼伝統工芸士 相馬正和氏。
昭和50年に沖縄県恩納村に築窯。昭和53年に読谷村座喜味に移窯し、現在に至る。土や釉薬作りなどは昔ながらの方法で作り、壺屋焼の伝統を守り、伝え続けている。一方、陶眞窯独特の赤絵や染付け、魚紋、イッチンなど「常に新しいものを」を合言葉に新たな作品を作り続けており、皿やマカイ(碗)にとどまらず、泡盛(古酒)用の酒壺、シーサーや琉球南蛮(荒焼)など、多岐にわたり幅広く「やちむん(やきもの)」作りに励んでいる。
またホンモノの手作りの「やちむん」の良さを知ってもらうため、陶芸教室や体験なども積極的に行っており、壺屋焼の魅力を広く伝えている、名門窯元のひとつである。