美濃焼 新進気鋭の作家 加藤仁志さん手作りの煎茶碗です。
「志野」とは、安土桃山時代から続く美濃焼の伝統的なやきもの技法の名前です。長石を砕いて作った白い釉薬(うわぐすり)をぽってりと厚くかけて焼き上げます。表面には細かい貫入や柚子肌という小さくぽつぽつとした孔が浮きます。また釉薬のかかり加減や窯内での火の当たり加減で、緋色という赤みがかるところもあり、それらが器の景色を作ります。
志野は、特に茶道に使われる茶碗に名品が多くあります。
国宝になっている国産の茶碗はふたつしかなく、そのうちのひとつが卯花墻(うのはながき)という銘を持つ志野の茶碗です。(もうひとつは本阿弥光悦作の楽焼茶碗で銘は不二山)
この器は、薪の窯でじっくり焼かれたことで全体的にピンクがかったような色合いで、独特の風情を醸し出します。(薪窯は年に一回しか焚かない貴重なものです)
形の「しのぎ」は、器の表面を削ってつくられる立体的な筋模様のこと。表面に絶妙なコントラストを与えています。
本格派の景色のいい煎茶碗で、お茶の時間の格がぐっと上がります。ぽってりとあたたかみのある口触りも絶品です。
長年使うにしたがって貫入にお茶が浸み込み、自分だけの器に成長していきます。器を育てる楽しみが感じられる煎茶碗です。
お茶好き、陶器好きの方にぜひおすすめいたします。
※すべて手作りのため、一点一点大きさ・形・色・模様に多少の違いがあります。
※製品の性質上、貫入や微小な孔(柚肌)、緋色等がありますが、異常ではありません。
※食器洗浄機、電子レンジのご使用はお避け下さい。
※ご使用後はよく乾燥させてから収納してください。
※使い始めは底に蒸気が付く場合がありますが、これは陶器の土の粒子の隙間からお湯の水蒸気が通り抜けるためです(お茶が漏ることはありません)。数回使うことでお茶成分が土に浸み、自然とふさがっていきます。
美濃焼 加藤仁志
岐阜県土岐市
美濃焼窯元の家に生まれ、幼少よりやきものに親しむ。
大阪芸術大学工芸学部卒業、土岐市立陶磁器試験場修了。窯元での修行を経て、2004年に土岐市泉北山町にて独立。粉引・白磁を中心に製作を行っている。
自ら山で手堀りした原土を使い、自然なあたたかみのある器作りを心がけ、シンプルで使いやすく飽きのこない、いつも手元に置いてもらえるようなデザインを意識して製作している。