沖縄では陶器のことを「やちむん」といいます。
その歴史は14世紀に遡り、大陸や南蛮の陶磁器の影響を受けた独特の風合いが今に伝わります。代表産地である那覇市壺屋地区や読谷村で作られる「やちむん」は壺屋焼と呼ばれています。
ご夫婦二人で営んでいる、小さな壺屋焼窯元 健陶藝。
子孫繁栄の縁起柄として「やちむん」の定番となっている魚紋の器づくりの達人として人気の窯元ですが、色彩のコントラストを活かすベースとなる「白化粧」の美しさにも定評があります。
沖縄の陶土は赤土のため、そのまま焼くと茶色のやきものになります。
白い器を作るには白土を水で溶いた白化粧土を粘土の上から掛けて作ります。白土が少ない沖縄で白いやきものを作るために編み出された技法です。
素朴でシンプルながらも、白化粧のアイボリーホワイトと深みのある赤の組み合わせが印象的な小皿。シンプルなものだからこそ技能がはっきりわかります。
丁寧なろくろ仕事、手際のいい白化粧の掛け方、色付けの繊細さ、丹念な焼き方、それらがこのお皿に詰まっています。
お惣菜やお菓子を盛っても良し、同じ窯元作の魚紋の湯呑と組み合わせても良し、どんな使い方でも独特の存在感を放ちます。
シンプルだけど味わいのあるお皿をお探しの方、小皿好きの方にぜひお持ちいただきたい逸品です。
※ひとつひとつ手作りで仕上げておりますので、大きさ・形・色・模様に多少の違いがあることがあります。
※食器洗浄機、電子レンジのご使用はお避け下さい。
※釉薬はかかっていますが、色の濃い調味料やお料理の場合は染みることがあります。
壺屋焼 健陶藝
沖縄県那覇市
壺屋焼の名工 新垣栄三郎氏を父に持つ新垣健司氏が10年以上の修行の末に独立し、2008年に沖縄県那覇市三原に開窯。壺屋焼の伝統意匠である「魚紋赤絵」を中心に作陶を行っている。
こだわりは、白化粧と赤絵の発色。
赤い沖縄の陶土を使って白い器を作るには、白化粧といって白土を水に溶かして器に塗って焼き上げる技法をとるが、鮮やかに発色させるには土選び、配合、塗り加減、焼き方など高度な技術が必要。
赤絵は、ほかの色を付けて焼いた器に赤絵の具で絵付けをしてから再度窯で焼き上げる手間のかかる手法を実直に行い、活き活きとした赤色を引き出している。
夫婦二人で営む小さな窯元だが、すべて手作り・手描きで作られる健陶藝の作品は独特のあたたかみと可愛らしさを持ち、大変人気のある窯元である。