初代 深川栄左衛門が肥前有田の地で磁器製造を始めてから三百年余り。
美術工芸品で培った技術や技を駆使し、現代においても、一切妥協しないものづくりを続ける有田焼の名窯 香蘭社。
こちらは、透明感のある淡い青緑色が爽やかなプチカップ。
縦に一筋入った幾何模様とフチにまかれた金線が全体をグッと引き締め、なんともカッコいい仕上りです。
高台の上下にできた釉だまりによるグラデーションも堪りません。
すっと立ち上がった縦長のフォルムは指なじみがよく、底に向けてすこし広がった高台は置いた時にも安定感のある仕上がり。器を知り尽くした香蘭社の細かな気配りが、そこここに詰まっています。
110mlの容量は、日本酒や焼酎、スピリッツなどをストレートで愉しむのにちょうど良いサイズ。ぐい呑みとしても、ショットグラスとしてもお使いいただけます。
二千年以上前から作り続けられる青磁の器。
古に思いを馳せて、今宵の一献をお楽しみください。
※金彩が施されているため、食器洗い機、電子レンジのご使用はお避けください。
有田焼 香蘭社
佐賀県有田町
創業は江戸時代、1689年(元禄2年)に遡る。今からおよそ三百年前、初代 深川栄左衛門が肥前有田の地で磁器製造を始めたことがはじまり。
古伊万里・鍋島・柿右衛門という有田伝統の3様式を融合させた独自スタイルは「香蘭社調」と呼ばれ、世界各地で行われた万国博覧会で金賞やグランプリを多数受賞。国内外から高い評価を受ける有田を代表する名窯。
今では、美術工芸品として生み出された「香蘭社調」を日常使いする器へ応用し、現代の生活にマッチした形に進化させている。工場の規模が大きくなってもほとんどの工程は手仕事で仕上げられ、できあがった品物は全品手作業で検査を行う。
この一切妥協しないものづくりが香蘭社の変わらない信頼に繋がっている。
ちなみに、香蘭社は電線などで使われる磁器製の「碍子(がいし)」を日本で最初に作ったことでも知られ、今なおファインセラミックスなど陶磁器製造の技術を活かした最先端分野を切り拓く業界の先駆者でもある。